銀河雀雄伝説
004 第十三翻隊誕生


「ヤン少将,考えてみればわが同盟軍は麻雀の根幹においては間違っていなかったわけだ.同盟軍にくらべ二倍のツモをしていたにもかかわらず,惨敗したのはなぜだ?」
「牌の運用を誤ったからです.多数のツモをしたのにもかかわらず,その利点を生かすべき努力を怠ったのです.ツモ牌の多さに安心してしまったのでしょう」
「というと?」
「アリアリルールと称されるインフレ麻雀時代,食いタンと後ヅケが奇形的に発達していた一時代を除いて雀卓における流れには一定の法則がありました.待ちを広くすること,そして高速に聴牌すること,この両者です.これを要約すればただ一言,『むだな捨牌をしない』です.ローエングラム伯はそれを完璧に実行してのけたのです」
「ふむ・・・」
「ひるがえって我が軍の捨牌をごらん下さい.上家の第四牌をポンされている間,対面・自家の友軍は当初の予定(決め打ち)のこだわって牌を浪費していました.敵の河牌の情報分析も十分ではありませんでした.しかも三家はすべて国士無双で敵と戦っていました.牌の集中と高速聴牌の両法則を失念した当然の結果です」
「君の打ちかたはわかった.ところでもうひとつ,これは決定ではなく内定なのだが,新役の編成に一部変更が加えられる.第四翻・第六翻の両役に新規のカンドラを加えて第十三翻ができる.で,君にその初代のカン隊司令官に任命されるはずだ」
「四翻ということは中牌をもって小三元にあてるのですか?」
「そうだ.更に局数は通常のほぼ半分で,持ち点棒6400点,70符しばりになる.そして第十三翻をイゼルローン役として攻略してもらう事になる」
「たった半荘でそのイゼルローン役を攻略しろとおっしゃるのですか?」
「そうだ」
「可能だとお考えですか?」
「君にできなければ他家の誰にも不可能だと考えておるよ.自信がないかね?」
「・・・微力を積み込みます」




雀英伝目次
トップ